CGらぼ

広く浅くCGを勉強していきます。

3ds Maxのシャドウについて調べてみた!!

3ds Maxにはデフォルトで「Adv.Ray Traced」「mental ray Shadow Map」「Area Shadow」「Shadow Map」「Ray Traced Shadow」の5種類のシャドウが入っています。

1つしかなければ頭を悩ませる必要は無いのですが、さて、どれをどのように使ったらいいのか。。。

5種類もあるということには、それ相応の理由があるのでは!?

 

ということでそれぞれの特徴を調べてみました。

 

まずは全体のまとめから

 

mantal ray でサポートされているシャドウは「mental ray Shadow Map」「Shadow Map」「Ray Traced Shadow」の3種類です。

その他のシャドウを設定することはできますが、レンダリング時は「Ray Traced Shadow」として処理されます。

テストレンダリング時は「Shadow Map」、最終レンダリング時は「Ray Traced Shadow」、Hair,Furを使用する場合やモーションブラーを使用する場合は「mental ray Shadow Map」を選択したほうが良い

 

次に各シャドウの特徴について

 

[Shadow Map]

・Ray Traced Shadowと比較するとレンダリング時間が短い

・キャッシュとして保存でき再使用できる

レンダリング時にメモリを消費する

・シャープなシャドウを作成するには高い設定が必要となる

・透明なオブジェクトを処理できない

・mental rayではShadow Mapを使用する全てのライトを球状と処理する

 

〔Shadow Map Params〕

Bias ・・・ オブジェクトとシャドウの距離を調整する

Size ・・・ シャドウビットマップのサイズを設定

Sample Range ・・・ ボケ幅の調整

Absolute Map Bias ・・・ Biasの値において3ds Maxの単位を使用する

2 Sided Shadow ・・・ 両面にシャドウをレンダリングする

 

メモ

Bias

・値はシーンによって異なる

・大規模なシーンの場合、規定値の1.0でもオブジェクトとシャドウが離れてしまうことがある

・0.1以下に設定しテストレンダリングしながら数値を決める

 

Size

・シャドウの質を上げる為にサイズを大きくしなければならないが、それに伴いレンダリング時のメモリー消費量も増える

 

Sample Range

・シャドウのジャギーを取り除くが、この際、ボケ幅の分シャドウが大きくなる

 

Absolute Map Bias

オブジェクトがアニメートしシーンの大きさが変わる際に、一貫したシャドウを作成することができる

 

[mental ray Shadow Map]

・透明なオブジェクトをサポートしている

・カラー情報を持てる

・Hair&Furやモーションブラーのレンダリング時に適している

レンダリング時にアーティファクトが生じる恐れがあるため建築物の屋内や最終レンダリングには向かない

 

[Ray Traced Shadow]

・正確なシャドウを作成できる

・透明なオブジェクトをサポートしている

・エリアライトを使用しないかぎりソフトエッジは作成されない

レンダリング時のメモリ使用量が少ない

・Shadow Mapよりレンダリングに時間がかかる

 

〔Ray Traced Shadow Params〕

Ray Bias ・・・ オブジェクトとシャドウの距離を調整する

2 Sided Shadow ・・・ 両面にシャドウをレンダリングする

Max Quadtree Depth ・・・ 

 

メモ

Ray Bias

・mental rayでは無視される

 

2 Sided Shadow

・mental rayとRay Traced Shadowでは無視され、片面のみにレンダリングされるのでDouble Sided(両面マテリアル)を使用する

 

Max Quadtree Depth

・数値を上げるとレイトレースの回数が増えるが、それに伴いメモリ使用量も増える